【レザークラフト】基本的なコバ磨きの方法をご紹介!

レザークラフト

こんにちは!

レザークラフトをする上で永遠のテーマと言えるのが『コバ磨き』ではないでしょうか。

これが正解であるという手法はなく、それゆえにクラフターは日夜十人十色様々な方法で理想のコバを追い求めていると言っても過言ではないでしょう。

そんなコバ磨きはレザークラフトの醍醐味ではありますが、初心者の方を悩ませる原因の一つでもあると思います。

上の通り正解がなくブログ、動画、教則本などで様々な手法が紹介されており、いったい何から試せばいいのかわからなくなってしまうのではないでしょうか。

そんな方のお役に立てればと思い、今回は私が実践しているコバ磨きの手法を紹介させていただきます!

特別な道具や技術は使っておらず至ってシンプルな手法ですので、初心者の方でも問題なく実践いただける内容になっています。
そしてそこからアレンジを加えるもまったく違うやり方に挑戦するも自由です!

自分だけのコバ磨きを身に着けるための第1歩になればと思います。

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実践の前に…。コバ磨きの大前提2つ

さっそく実践に移りたいところですが、実践の前に知っておいていただきたい大前提を2点だけ説明させてください。

「平面を作って磨く」ことが重要

コバ処理は結局のところいかに「平面」であるかがカギとなります。

コバの面が平面(ツルツル)であればあるほどトコノール等の処理剤で磨いたときに滑らかでツヤのあるコバになります。

つまりトコノールで磨く前にやすりで削ってデコボコをなくせばいいのですが、言葉にすれば単純なことなのですが実際やるとそう簡単にはいかないのが困ったものです。

その手順は後ほど紹介させていただきますので、取り急ぎ平面を作って磨くことが重要ということを覚えておいていただければと思います。

革の品質が非常に重要!

もう一つ大事なことは、コバ磨きは「革の品質」によって大きく左右されます。

綺麗にコバを仕上げるにあたっての重要度は「革の品質>技術」であると言っても過言ではないと思っています。

具体的に言うと「品質の良い革(革の密度が詰まった革)」はコバ磨きに適しており、「品質の悪い革(革の密度が詰まっていない革)」は適していません。

もちろん作り手の技量や道具によっても変わりますが、品質の悪い革はプロの職人さんの技術を持ってしても綺麗に仕上げることは困難と思われます。

また例え高価・高品質であっても柔らかい革は磨く力が伝わりづらいため、コバ処理の難易度は高くなります。
シボの入っている革、オイルをふんだんに含んでいる革、薄く漉いた革などはコバ処理が難しい、やりづらいと感じてしまうと思います。

逆に言えば「硬くて厚い高品質なスムースレザー(シボの入っていない滑らかな革)」がコバ処理に最も向いているため、初心者の方やコバ処理が上手くいかずに悩んでいる方におすすめです!

コバ磨きの手順

前置きが長くなってしまい申し訳ございませんが、いよいよ具体的なコバ処理の手順をご紹介いたします。

今回は特に処理が難しい「複数の革を張り合わせたコバ」を例として使っていきます。

カッター等でズレを切り揃える

複数の革を張り合わせたコバを処理する上でまず大切なことは、張り合わせた段階でなるべくズレがなく平面となるようにカッターや革包丁で切り揃えることです。

以下は見本なので大げさにずらしてありますが、本来は接着の段階でズレのないよう張り合わせるのが理想です!

片方の革をガイドにして全く同じ切り口で平面となるように、はみ出してズレている部分をカットしていきます。

ここで有効となる方法が、あらかじめ少し大きくパーツを切り出して張り合わせて、張り合わせた状態で適切な大きさにカットする手法です。
こうすることで断面にずれが生じること自体がなくなり、確実に平面を出すことができます。

しかしこちらの方法はどんな時でも使える万能策というわけではないのです…。

かばんなど立体的な構造、また財布のマチなど他パーツと距離が近い箇所だとどうしても作業台に置いてカットすることが難しくなり、逆に手間がかかったり最悪の場合製作物に傷をつけてしまったりと言うことになりかねません。

そのため使えるところはこの手法を使いつつも、使えないシーンで困らないようカット後に張り合わせ箇所のズレを整える技術も重要になってきます。

ホビーかんなで整える

カッターや革包丁でズレを切り揃えた後は、「ホビーかんな」でかんな掛けをしてさらに平面に近付けていきます。

先ほどカッターで切り揃えたんだからこの工程はいらないのでは?と思われるかもしれませんが、カットしただけでは目ではわからないくらいの凹凸が結構残っているのです。

綺麗に切り揃えたつもりでも、以下のように結構削りカスがでてきます。

ホビーかんなについて以下の記事で詳しく紹介していますので、よかったら覗いてみてください。

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粗目の耐水ペーパーで削る

かんな掛けをしたら、次は粗目の耐水ペーパーで削ってさらに凹凸をなくしていきます。

革の質や個人の好みにも寄りますが、私は粗目には240番手を使っています。

コバに水を含ませて削りやすくする&削りカスが飛びづらくしてからやすり掛けを行っていきます。

中目の耐水ペーパーで削る

粗目でのやすり掛けが終了したら、次は中目に切り替えて再度やすり掛けをしていきます。

私はこの工程には400番手を使用しています。

粗目のやすり掛けで大雑把に整えられた断面を綺麗に(滑らかに)していくイメージです。
実際この工程を終えるとかなり手触りが良くなっていることが多いです。

繊維の詰まった高品質なスムースレザーの場合、粗目の工程を飛ばしていきなり中目でやすり掛けを行っても綺麗に仕上がることもあります。

ヘリ落としで角を落とす

やすり掛けを行ったことで、コバには以下のように「バリ」がでていると思います。

このバリを含めてヘリ落としで角を落として面取りを行い、手触りをよくしていきます。

へり落としは切れ味が非常に重要になる道具なので、製作に取り掛かる前にお手入れすることをおすすめいたします。

以下の記事で簡単なメンテナンスの方法とおすすめのへり落としを紹介していますのでよかったら参考にしてみてください!

トコノールで磨く

最後にトコノールで磨いていきます。
私はトコノールを使っていますが、トコフィニッシュやトコプロでもまったく問題ありません。

ムラや銀面へのはみ出しがないように丁寧に塗布して磨いてきましょう。へり落としをかけた箇所も磨くのを忘れないようにご注意ください。

1回トコノールで磨いただけではデコボコがまだ目立つことも多いので、そういう場合は再度中目でやすり掛けを行いトコノールで磨くという工程を繰り返します。

また教則本などではコバ磨きにウッドスリッカーを用いていることが多いですが、私は以下の「帆布」を使っています。

ウッドスリッカーは柔らかい革だと磨きすぎてコバが変形してしまったり、上でお伝えしたへり落としをかけた箇所が磨きづらかったりします。

その点帆布は指に巻いたり摘んで使ったりとコバに合わせて柔軟な使い方が可能で、力加減も簡単で細かい箇所にも使用できるなど非常にオススメです!

おまけ:コバワックスでさらに磨く

しっかり平面を作れていればトコノール等のコバ処理剤で磨くことで十分綺麗なコバになりますが、さらにツヤを追い求める方や耐久性が欲しい方は「コバワックス」をプラスすることをおすすめいたします。

コバワックスは必須項目ではないのでこの記事では詳細は割愛させていただきますが、以下の記事でコバワックスについて紹介していますので興味がありましたらぜひ読んでもらえると嬉しいです。

まとめ

以上が私が行っているコバ磨きのスタンダードな工程です。

革の質やコバの状態に合わせて手順を変更することはありますが、「平面を作って磨く」という大前提に変わりはありません。

繰り返しになりますが、コバ磨きは革の特徴や個人の好みに寄るところが大きく、これが正解と言った方法はありません。

この記事が何かの参考になれば幸いであり、ぜひみなさんも自分だけのコバ磨きの手順を研究してみていただければと思います!

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