こんにちは!
革職人の方やレザークラフトをしている方は、主に革を裁断する際に以下のいずれかの刃物を使っていることが多いと思います。
- 革包丁
- 別たち/革たち
- カッターナイフ
私はカッターナイフ派です。
理由はこれらの中で最も馴染みのある道具だったためか最初からある程度使いこなせたからというのと、替刃・折刃式でメンテナンスがほぼ不要だからです。
価格が安かったのでレザークラフトに挑戦する際に購入して、そのまま使い続けているという点もありますが…。
しかしそんな長く愛用しているカッターにも向いていないシーンがあります。
それはズバリ「厚い革を裁断するとき」です!
薄い革(1mmくらい)なら何も問題ないのですが、カッターは構造上どうしても力を入れづらいため厚い革を切るのには向いていないと思います。
切れ味のいい刃を使っていれば切ること自体は普通に可能なのですが、結構力が必要で切り終わる頃には腕がプルプルしている…なんてことがあると思います(実体験)。
そこで私は厚手の革を切るときは以下の『革たち』を使用しています。
『革たち』は簡易版革包丁のような道具です。
柄を握って体重をかけて裁断するため、厚手の革もカッターよりスムーズに切ることができます。
また替刃式なのでメンテナンスも楽ちんで、価格も1600円ほどと手頃で初心者の方にもぴったりです!
そしてそんな革たちには、以下の「別たち」というよく似ている製品があります。
刃の品質は同等(販売元は違いますが、製造元はいっしょではないのか?と思うほどです)なのに対し、価格は『革たち』よりさらに安くなんと500円ほどという驚きの製品です。
これだけ聞くと別たちでいいんじゃないの?と思われるかもしれません。
しかし、私はどちらかを購入しようかなと考えておられる方には、強く『革たち』をおすすめしたいと思っています!
前置きが長くなってしまいましたが、本日のテーマは”別たちより『革たち』をおすすめする理由”です。
それでは早速いってみましょう!
革たち・別たちの基本情報
まず両者を比較する前に、両方の基本的な情報をまとめたいと思います。
『革たち』 | 『別たち』 | |
販売会社 | エヌティー株式会社 | オルファ株式会社 |
使用用途 | 革の裁断、漉き等 | 革や樹脂シートの裁断、塗料や接着剤の切削等 |
価格 | 1600~1800円ほど | 500円ほど |
刃の種類 | 直刃・斜刃 | 直刃 |
両製品ともカッターで有名な企業が作っており、刃物に定評があることが伺えると思います。
革以外のものにも使えたり塗料や接着剤を剥がすスクレーパーとしても使えたりと、使用用途は「別たち」の方が少し広く設定されています。
しかし大事な作品を作る際にスクレーパーとしても使っている道具で裁断をしようという方はあまりいないと思うので、こちらはあまり気にしなくてもよいと思います。
次項からこちらに記載している点、していない点を踏まえて『革たち』をおすすめする理由をご紹介いたします!
別たちより『革たち』をおすすめする理由
「別たち」より『革たち』をおすすめする理由は、大きく次の3つです。
- 革の裁断に特化!
- 握りやすさが違う!
- 斜刃がすごく便利!
革の裁断に特化!
上の使用用途の項目でも触れましたが、「別たち」は樹脂の裁断やスクレーパーとしての使用なども想定しているのに対し、『革たち』は革の裁断・漉き専用の道具です。
実際『革たち』でも樹脂のカットや塗料・接着剤の切削もできるとは思いますが、メーカーは革に使うことを想定し、革に対して一番力を発揮できるように形や構造を想定して設計しているのです。
次で詳しく記載しています握りやすさにも共通する項目でもありますが、あまり一般的できない道具だからこそ専用に作られているというのは頼もしい要素だと思います。
握りやすさが違う!
革包丁や『革たち』は逆手に握って力を込めるため、柄の握りやすさというのはなかなか重要な要素だと個人的に感じます。
その柄に関して「別たち」がただ真っすぐであるのに対し『革たち』は握りやすいグリップ状になっており、また持ち手が太いので握ったときの安定感もしっかりしています。
「別たち」はすでに手放してしまい手元になく、『革たち』の画像のみとなってしまい申し訳ございません…。
また「別たち」は柄が長く刃先まで距離があるので重心が不安定になりやすいのですが、『革たち』は柄が短く安定して力を伝えられる点もおすすめなポイントです!
斜刃がすごく便利!
『革たち』と「別たち」の最も大きな違いは《斜刃》があるかどうかです。
斜刃がどんなときに便利かというと、曲線に革を切り出すときです。
カーブして革を切るときは、他の箇所を切らないようなるべく革と刃の接地面を少なくしなければいけません。
具体的に言うと手首を傾けて刃の角度を調整するのですが、この作業は地味に手首への負担が大きく個人的に苦手と感じています。
しかし斜刃は元から刃が斜めになっているので、この負担が大幅に減少します!
カーブの切り出しという神経を使う作業の中さらに手首の角度にも気を遣うのは結構疲れてしまうもので、そこのストレスを減らしてくれるのはかなりありがたいです。
また通常の直刃の替えもありますので、「別たち」にできて『革たち』にできないことはないと思います。
以上が両者を比較した上で『革たち』をおすすめする理由です。
私は「別たち」を買ってから結局『革たち』に買い替えるという余分な出費をしてしまったので、皆さんが同じ轍を踏むことのないよう最初から『革たち』を購入することをおすすめしております!
別たちと比べて『革たち』の少し残念な点
上記の通り私は『革たち』を一押ししているですが、以下の2点に関しては「別たち」に比べて少し残念かなと感じています。
- 価格が高い
- 手に入りづらい
価格に関しては1600円ほどと『革たち』が高いというほどではないのですが、「別たち」が500円ほどと安すぎるのでどうしても割高に感じてしまうと思います…。
特にこれからレザークラフトを始めたいという方にとっては、いきなりよく知らない道具にお金をかけるのは抵抗があると思うので、「別たち」の500円から始められるというのは大きなメリットだと思います。
先ほど「別たち」⇒『革たち』に乗り換えて余分な出費をしてしまったと書きましたが、最初の出費はなるべく抑えてレザークラフトに挑戦して、もっとレザークラフトを楽しみたい!と感じたタイミングで買い替えてみるというのも大いにアリな選択だと思いますので、そこは自分が納得できる順序で問題ないと思います!
また入手のしやすさに関してですが、こちらも「別たち」に軍配が上がります。
ホームセンターなどでは「別たち」を見かけることはあっても『革たち』を見かけることはなかなかありません。
本体は一度買ってしまえばそうそう買い替えないので問題は替刃なのですが、替刃に関しても「別たち」の方が手に入りやすい印象です。
しかしこのご時世Amazonをはじめネットショッピングでいくらでも入手経路があるので、実際特に気にするほどでもないかなと思います。
Amazonで「別たち」の替刃は常に在庫があるのに極まれに『革たち』の替刃は見つからないことがある印象なので、その点のみ気を付ける必要があるかなと感じます。
最後に
今回は『革たち』をおすすめさせていただきました。
『革たち』はメンテナンスも楽で切れ味も申し分なく、少なくとも趣味でレザークラフトをするだけなら革包丁は不要と思うほどクオリティが高い製品です。
ぜひみなさんも厚い革で作品作りにチャレンジする際は『革たち』で取り組んでみることをおすすめします!
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