こんにちは!
植物タンニン鞣し革を使ったレザークラフトの醍醐味の1つに、いかにコバを綺麗に仕上げるかという点があります。
しかしコバ処理には「こうすれば綺麗になる」という正解がなく、人によって、扱う革によって様々な手法やこだわりがあると思います。
そんな十人十色なコバ処理の方法ですが、今回は私が実際に使用している『ホビーかんな』というアイテムをご紹介します!
お手頃価格で使い方もとても簡単なので、コバ処理に悩んでいる方やステップアップしたいと考えている方はぜひ1度お試しいただければと思います。
ホビーかんなはコバのズレのカットに便利!
複数の革を張り合わせたコバをまるで1枚の革のようにきれいにツルツルに仕上げるには、張り合わせた面がしっかり平面になっていることが重要です。
以下のようにズレがある状態(極端すぎるかもしれませんが)だと、どれだけやすりをかけてもトコノールで磨いてもきれいに仕上げる事は難しいです。
上のように明らかにズレている場合はカッター等で断面を切り揃えることが可能ですし、コバ処理前の必須処理です。
しかし実際は、目に見えなかったり細かすぎて手作業ではどうしようもなかったりといったレベルのズレや凹凸があり上手く処理できないというケースの方が多いと思います。
特に財布のマチなど細かな部分や、立体的な構造をしているカバンで上手く刃が当てられない部分などで苦労することが多いのではないでしょうか。
そんな状況で活躍するのが『ホビーかんな』です!
ホビーかんなは名前の通りお手軽な鉋(かんな)です。
かんなと聞くと大工さんが使っているような大きなものを想像してしまうかもしれませんが、こちらはホビーという言う通り非常にコンパクトでDIY道具の一種といった感じです。
次からはホビーかんなの使い方をご紹介します!
ホビーかんなの使い方
とは言いましたが使い方自体は一般的にイメージされるかんなと同じで、かんな掛けをしたい面に当てて引くだけです。
刃の出し具合や力加減、平行にかんな掛けする感覚などいくつか身に着ける必要はありますが、革の端切れを使って練習してすぐに身に着けられるくらいのお手軽さです。
まずカッター等でできる範囲で綺麗に切り揃えてからホビーかんなで細かなズレや凹凸を平らにすることで、ツルツルで美しいコバへと繋がっていきます。
実際使用してみると体感いただけるかと思いますが、綺麗に揃えたと思った断面でもかんな掛けすると結構削れている手応えを感じます。
以下の画像はカッターでズレを切り揃えた後にかんな掛けしたのですが、不揃いな箇所であった切れ端や細かいくずが削られて結構出てきますね。
削りすぎには注意ですが、綺麗なコバへ仕上げるために1歩近づいているのがわかると思います!
ホビーかんなの注意点
ホビーかんなは使い方も簡単でケガの危険も少ない便利なツールですが、以下の点にご留意ください。
柔らかい革には効果は薄い
柔らかい革は刃が入りづらく、かんな掛けの効果が薄いです。
ホビーかんなに限った話ではなく、やすりもかけづらくトコノールで磨いても繊維が詰まりにくいなど、一般的に柔らかい革のコバ処理は難易度が高いです。
コシのある硬めのタンニン鞣し革には相性ばっちりですが、シボが入っていたりオイルを多く含んでいたりする革では思うように効果を発揮できないことが多い点にご注意ください。
刃のメンテナンス、交換が必要
お手軽すぎて忘れてしまいそうになりますがホビーかんなも刃物なので、使っていくと切れ味が鈍るのでメンテナンスが必要となります。
刃の鋼材は不明ですが安価なため、本格的な研ぎで長期間使うというやり方は向いていないと思います。
切れ味が鈍くなってきたらピカールケアーや青棒でメンテナンスすることで多少復活しますが数回が限度だと思いますので、切れ味が戻らないと感じるようになったらさくっと刃を交換するのがおすすめです。
替刃も安価に購入できるのでお財布にも優しいです!
まとめ
私はコバ処理に使うくらいですが、ホビーかんなは使いこなせばヘリ落としとして使ったり全漉きに使ったりと非常にマルチに活躍することができるアイテムです。
ぜひみなさんも手に取って自分に合った使い方を探してみてください!
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