こんにちは!
昨年の年末年始もだったのですが、プライベートの方が立て込んでおりしばらくブログが更新できておりませんでした。
どうしても波はできてしまいますが、今後も少しでも役に立ったと思っていただける情報を発信していけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。
さて今回のテーマの『ハンドプレス機』ですが、実はずっと前から記事にしたかったのですが主に撮影面での環境が整っておらず、自分の中で長い期間温めてきたものでした。
それが今回満を持して?諸々準備が整いましたので、ぜひご紹介させていただけたらと思います!
ハンドプレス機をおすすめする理由!
いきなりですが、私はレザークラフトをしているすべての方にハンドプレス機を使ってほしいと思っているくらいハンドプレス機を愛用・おすすめしています!
もはやハンドプレス機がないと製作活動を維持できなるくらいお世話になりまくっております。
そんなハンドプレス機ですが、「プロが使うもの」、「敷居が高い」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際私も使用する前までは心理的にも金銭的にもハードルを感じていました。
自分なんかが(モノによっては)数万円もするような道具を導入するのは宝の持ち腐れになるのではないかと…。
しかしいざ購入してみたところ、「なんでもっと早く購入しなかったんだろう」と別のベクトルで後悔してしまったほど素晴らしいものでした。
そして今回声を大きくしてお伝えしたいのは、レザークラフト初心者の方にこそハンドプレス機はおすすめだということです!
もちろん経験者の方にもばっちりおすすめできますのでご安心ください。
まずはハンドプレス機を使うメリットと、初心者の方にこそおすすめしたい理由をご紹介させていただきます。
ハンドプレス機のメリット
ハンドプレス機のメリットはやはり以下の2点が大きいです。
金具の取り付けミスが激減する!
恐らく金具の取り付け方法で一番オーソドックスな手法はハンマーで打棒を打って取り付けるやり方だと思います。
特殊な道具やテクニックも不要なため、レザークラフトを始めた方がまず取り掛かる手法ではないでしょうか。
しかし「打具をハンマーで真っすぐ打つ」というそれだけの作業が存外に難しく、私はこの作業が本当に苦手で始めたての頃は曲がった金具を量産してしまっていました。
同じ経験を持つ方も少なくないのでは…と思っています。
そんな悩みがハンドプレス機を導入すると一瞬でほとんど解決してしまいます!
当たり前ですがハンドプレス機は垂直に真っすぐに力を伝えられる器具ですので、慎重に作業すれば金具の取り付けミスはほとんど発生しません。
技術不足と言われると返す言葉もないのですが、私のハンマーを使っての金具取り付け成功率が感覚的にだいたい70%ほどかなと感じるのに対し、ハンドプレス機での成功率は99%ほどです!
極まれに確認を怠ったせいで曲がってしまうこともありますが、ちゃんと正しい方法で使用すれば限りなく100%に近い成功率となるでしょう。
それほどまでにハンドプレス機の性能は素晴らしく、クラフト生活に快適さとクオリティアップをもたらしてくれること間違いなしです!
騒音が発生しない!
度々本ブログでも記載させていただいていますが、レザークラフトにとって騒音は切っても切り離せないやっかいな問題です。
特に金具を取り付ける際は想定以上に力強く打棒を打つ必要があります。金属を変形させて取り付けるのですからよく考えたら当然ですよね。
そんな力強い打音はマンションなど集合住宅ではまずトラブルになるでしょうし、戸建てでも家族に気を遣うことは避けられないでしょう。
また住居形態にかかわらず、夜間に大きな音を出すのは憚られてしまいますよね。
平日の仕事終わりに作業がしたくてもできなかったり、「苦情が来たらどうしよう…」と心配して自分が思うように作業できなかったりするのは大変もったいないと思います。
そんな騒音問題に対して、ハンドプレス機は大いに力を発揮してくれます!
ハンドプレス機は叩くのではなく押して使用するため非常に静音性に優れています。
もしかしたら私が知らないだけで大きな音が出るハンドプレス機も存在するかもしれませんが、大抵のものはほとんど無音で作業できるでしょう。
また金具の取り付け時しか使えないハンドプレス機もありますが、後述する私のおすすめするハンドプレス機はハトメ抜きや菱目打ちも使用できます。
ハンドプレス機はそれ1台でレザークラフトで発生し得る騒音をほとんど解消できる可能性がある素晴らしいアイテムです!
ハンドプレス機のデメリット
便利なハンドプレス機ですが、導入にあたり考えなければいけないこともあります。
価格が高い
デメリットというと少し違うかもしれませんが、価格が高くて手が出しづらいと感じる方は多いかなと思います。
ある程度の品質のものと考えると最低でも1万円はかかってしまうと思うので、気軽に試してみるわけにはなかなかいかないですよね…。
手作業での金具取り付けが上達しない
これはまさに私なのですが、ハンドプレス機が便利すぎるあまり手作業で金具を取り付けることがなくなってしまいます。
私は現状困っていることはないのですが、もし手作業でしか使用できない金具や打具があるという方はハンドプレス機に頼りすぎないよう気を付けた方がよいかもしれません。
初心者の方にこそハンドプレス機をおすすめしたい理由!
さて先ほど記載しました「初心者の方にこそハンドプレス機をおすすめしたい」というのは、ひとえにレザークラフトを楽しんでもらいたい、挫折せずに継続してほしいと思っているからです。
持論なのですが新しいことを始める際に最も大切なのは継続することであり、その継続を実現するためにも初心者の方こそハンドプレス機を使い不要なストレスを削減してほしいと思っています!
前述のハンドプレス機のメリットの項目と関連しますが、例えば金具の取り付けミスです。
誰にとっても無い方がいいことではありますが、私は特に初心者の方にこそぜひ回避していただきたいと考えています。
自身の経験なのですが、取り付けミスをしてしまったストレスや「失敗するかもしれない」という不安が積み重なると(私のメンタルが貧弱なのはいったん置いておいて…)、下手をするとレザークラフト自体が億劫に感じてやる気を失ってしまう可能性があります。
そんなことと思われるかもしれませんが、パーツが足りなくなってせっかくの創作意欲が止まってしまったり、「あと残り〇個しかない、失敗したらどうしよう…」というストレスを感じながら作業したりするのはレザークラフトを楽しむ(=続ける)にあたって極力避けた方がいいと思っています。
また騒音に関しても同様で、例えば1度隣人から苦情が入ってしまったら作業するのが怖くなってしまいますよね…。
ハンドプレス機はそういった継続の妨げになるストレスを解消してくれますし、かつ作品のクオリティ自体も上がるのですから導入しない手はないと思っています!
ハードルが高いのは否めませんが、自分への投資と思って思い切ってみても後悔はしないと思います。
おすすめのハンドプレス機『クラフトノラさんのクオイオ』!
すみません前置きが長くなってしまいましたが、いよいよおすすめのハンドプレス機をご紹介いたします。
ズバリ、クラフトノラさんの『クオイオ』シリーズです!
クオイオをおすすめする理由
クオイオをおすすめする理由は多くありますが、以下の3点にまとめてみました。
打具をそのまま使える!
クオイオはトグルクランプの先端にハンマー部品もしくはドリルチャックを取り付け、そこに打具をセットして使用します。
そのためすでに打具をお持ちであれば、それをそのまま流用することが可能です!
逆に下記のようなハンドプレスは専用の金具ごとに専用の「コマ」が必要です。
バネホック(オス/メス)、カシメ(サイズごと)、ハトメ(サイズごと)など…。
正規品のコマはそれぞれが1つ数千円ほどするので、よく使うコマだけを集めたとしても費用が嵩み結局ハンドプレス本体と同じくらいの金額になってしまった…なんてことになりかねません。
その点クオイオは数百円~1000円台の打具+オールマイティープレートを揃えればよいので、本体を除けば1から付属品を揃えたとしても数千円程度に収まると思います。
そして打具をそのまま使える利点は金銭的な面だけではありません。むしろ最大の特徴は活躍するシーンの多様さにあります。
上記のようなハンドプレスは金具の取り付けのみにしか使えませんが、クオイオはハトメ抜きや菱目打ちも使えます!
つまり穴あけや縫い穴空けもハンドプレス機を使ったクオリティで行えるということです。
経験者の方ならご存じかと思いますが、特に厚手の革にハトメ抜きなり菱目打ちなりで穴を空けようとすると、真っすぐ力を伝えるのが難しく金具が曲がってしまうのと同様に穴も斜めになってしまうことがあります。
綺麗に金具を取り付けたり縫い目をまっすぐに揃えたりするためにも上の問題は避けなければならないのですが、クオイオを使うことであっという間に解決してしまいます。
またハトメ抜き・菱目打ちを叩くことがなくなるので、当然騒音問題も解消します。
レザークラフトの騒音の原因は主に①ハトメ抜きで穴を空ける、②金具を取り付ける、③菱目打ちで縫い穴を空けるの3つですが、クオイオはそのすべてに使えるので騒音を0にすることが可能です!
私は③は菱ギリで行っているので①と②のみになりますが、昼夜問わず無音で、ほぼ100%の精度で作業が行えるのは本当にありがたい限りです…!
端以外の場所も打てる!
以下のタイプのハンドプレスは赤矢印部分(奥行き)が浅いものが多く、例えば製作物の中心に近い場所など奥行き以上の距離がある箇所は届かず使用できません。
A4用紙の中心にホチキスを打つことができないのと同様ですね。
一方クオイオは奥行きがかなり広く取られているので上のような事態は滅多にないと思います。
私は財布やキーケースなどの小物だけでなくカバンなどそこそこ大きなものも作っているのですが、クオイオを使っていて今まで困ったことはありません。
もちろんどんなものでも問題なし!と言い切ることはできませんが、本体や製作物の向きを調整することで大抵のシーンで使用できることと思います。
クラフトノラさんの職人魂がすごい!
クラフトノラさんは元大工さんであり、その技術を活かしてクオイオなどレザークラフト用品を製作されています。
またご自身もレザークラフト経験をお持ちのため、クラフター目線で製品作りを行っていらっしゃいます。
そして上でも少し述べさせていただきましたが、クラフトノラさんはご自身の仕事と製作物に非常に熱い思いを持って取り組んでおられます。
利益を優先した粗悪な製品を良しとせず、本当にいいものを届けたいというものづくりに対する真摯さが強く感じられます。
私なんかがとやかく言えるものではないので、ぜひ以下リンク先を読んでみてください。
クオイオシリーズの「Simple」の商品ページなのですが、熱意と真摯な姿勢がひしひしと伝わることと思います。
<クラフトノラさん公式HP>
クオイオのデメリット
クオイオに正直不満点やデメリットはないのですが、強いて挙げるなら以下の点に気を付けるべきかなと思います。
金具や穴が曲がることがある
これは使用者側に寄るところが大きいのですが、クオイオは打具をそのまま用いる都合上「力を伝えるための距離」が長いため、打具が少し斜めになっているだけでも影響を受けやすく金具も曲がってしまうことがあります。
具体的には以下ですね。
ここの距離が長いがために小さなズレであっても終着点である金具に力が伝わる頃には意外と大きなズレになってしまいます。
逆に以下のタイプのハンドプレス機はコマが小さく力を伝える距離が短く力の向きが乱れることが少ないため、金具が曲がってしまうことは少ないと思います。
打具がしっかりと真っすぐになっていることを確認すればほとんど失敗しないですが、横着してパパっとやってしまうとミスに繋がるのでご注意ください。
私は足の長いカシメなど特に曲がってしまいやすい金具を取り付けるときは、万全を期すためにドリルチャックを装着して使用しています。
ドリルチャックの取り換えが面倒
前項の続きとなりますが、確実に真っすぐ打つためには毎回ドリルチャックを使用すればよいのではと思われるかもしれません。
そしてそれは正解です!
毎回ドリルチャックに打具を装着して使用することがミスを減らす一番の方法だと思います。
しかし目次の通り、ドリルチャックと打具の付け替えは意外にめんどくさいのです…。
専用の取り付けハンドルを使ってクルクル回して取り付けるのですが、存外に時間がかかります。
バネホックなどオスメスの種類がある金具に関しては、1つのパーツを取り付けるのに2回ドリルチャックの付け替え作業を行わなければならず、正直それは非効率的だと思います。
加えてコマの付け替え必須のタイプのハンドプレス機に対し、ハンマーヘッドで効率よくいろんな種類の金具を打てるというクオイオの強みを潰してしまうことにもなってしまいます。
クオイオの強みを最大限発揮するためにも、ドリルチャックは足の長いパーツ取り付ける時や同じ種類のパーツをたくさん打つ時等ある程度場面を絞って使用することをおすすめします。
結局どれを買えばいいのか?
さて最後にクオイオのどのタイプを購入するかについてです。
クオイオシリーズは最上位の「クオイオPro」と標準の「クオイオ」、お手頃な「クオイオSimple」の3種類があります。
標準の「クオイオ」をベースとして、Proはアームを2本にして効率的な作業ができる最上位ライン、「Simple」は打具入れを取り除いたり材料を変更したりして価格を抑えたラインです。
<クオイオPro>
<クオイオ>
<クオイオSimple>
詳しい仕様や紹介は私の拙い文章よりクラフトノラさん公式サイトをご確認いただければと思います。
私からは、実際に使っている経験を踏まえてどのような方にどのラインがおすすめかをご紹介させていただきます。
標準「クオイオ」が誰にでもおすすめです!
まず私が現在使っているのは「Simple」です。
当時レザークラフトを始めて間もなかったこともあり、価格を抑えたくて「Simple」にしました。
そして現在に至るまで不満がないどころか大変満足して使用していますが、もし購入前の自分にアドバイスできるなら標準の「クオイオ」をおすすめしたいと今では思っています。
打具入れはなくてもいいかなと思っていたのですが、しばらく使ううちに予想以上に打具を取り出す・しまうという動作が手間に感じるようになってきました。
当時私がせまいデスクの上で作業しており打具を快適に収納するスペースがなかったことが原因ではあるのですが、ぱぱっと取り出してぱぱっとしまえたらな~と思うことがよくありました。
なお今はデスクが多少広くなりツールラックのようなところに打具を収納できているのですが、それでもやっぱりクオイオ本体に収納で来たら便利だったろうなと今でも思います。
そのためSimpleよりも値は張ってしまいますが、私は標準の「クオイオ」をおすすめします!
特に初心者の方は当時の私のようにツールの収納場所や作業スペースが限られている方も多いと思いますので、収納と一体型である「クオイオ」は非常に便利だと思います。
もちろんそうでない方もおすすめです。大抵の方にとって収納は多いに越したことはないと思いますので!
逆に「クオイオPro」はある程度レザークラフトの経験があり、自分の製作スタイルが確立されている方がおすすめです。
アームが2本ありハンマーヘッドとドリルチャックが併用できるので、上手く使い分けられると効率アップ間違いなしです!
ですが初心者の方はアームが2本あっても持て余してしまうシーンの方が多いかなと思います。
しかしいい道具を使うと上達も早いと言いますし、最初から最上位ラインを使ってスタイルを確立されていくのもありだと思います!
シリーズまとめ
シリーズと特徴、どんな方のおすすめかを表にまとめました!
クオイオPro | クオイオ | クオイオSimple | |
---|---|---|---|
ライン | 最上位 | 標準 | お手頃 |
特徴 | アームが2本あり、ハンマーヘッドとドリルチャックの併用が可能 | アーム1本、打具入れ有り。標準仕様。 | アーム1本、打具入れなしのシンプルで必要最低限。 |
こんな方に! | 2本のアームを使い分けて効率的に作業がしたい方! | 初心者の方から経験者の方まで誰にでもおすすめ! | なるべく価格を抑えたい方! |
ドリルチャックは要るか?
最後にですが、クオイオの基本はハンマーヘッドであり、ドリルチャックはオプションです。
こちらのドリルチャックはあった方がいいのか?という疑問ですが、個人的にはあった方がいいと思います。
しかし必須ではありません!
私はドリルチャックに固定すれば確実に垂直に打てるんだからあった方がいいに決まってるじゃん!と思い購入しました。
静かにかつ確実に垂直に打てるんだから使わない手はないだろう、と。
しかしいざ実際使ってみると、前述の通りいちいちドリルチャックに打具を付け変えるのは思った以上に面倒だったのです…。
そのため基本はハンマーヘッド、足の長いパーツや連続して同じパーツを打つ時はドリルチャックで、というスタイルが定着しました。
あった方がいいアイテムなのは間違いないですが、後付けできるのもクオイオの強みなのでとりあえずハンマーヘッドのみで試してみよう!というのもよいかもしれません。
最後に
私はレザークラフトを始めた比較的初期の頃からクオイオを使っているのですが、心から使っていてよかったと感じています。
非常に頑丈で壊れる気配もないのですが、もし壊れてしまっても絶対にまたクオイオを購入すると思います。
今ならハンマーヘッドとドリルチャックを持て余すことなく使い分けられそうなので、次があれぜひProを購入してみたいです!
ぜひ皆さまもクオイオの素晴らしさを実際に手に取って体感してみていただければ幸いです!
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