こんにちは!
レザークラフトをはじめハンドメイドの腕前がある程度上達してくると、minneやCreemaなどで販売したいと考える方も多いと思います。
ショップの開設自体はとても簡単ですし、売れるまではお金も掛からないのでトントン拍子に準備が進むのですが、立ちはだかる壁が『商品撮影・物撮り』ではないでしょうか。
メルカリの出品やSNSへの投稿で物撮りするよという方もいるかと思いますが、今やminneやCreemaに並んでいるのはプロクラスの商品ばかりで写真もガチ勢ばかりなので、本気で取り組まないと到底周りのクオリティに追いつけないと思います。
しかし、これはかつての私なのですが、いきなり本格的な撮影と言われても一体何から始めたらいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
また機材の操作や設定などすごく煩雑そうで、ハードルが高いイメージがありますよね。
そんな方のために、本記事ではまったくの写真素人だった私がどんな風に商品撮影・物撮りを始めて、どんな経緯をたどり、最終的にどんなやり方に落ち着いたかという経験をお伝えさせていただきます。
写真素人がリアルに辿った過程をご紹介するので、私と同じく写真初心者であり、これから本格的に商品撮影・物撮りを始めたいという方にぴったりな内容かと思います。
私がああでもないこうでもないと四苦八苦した数年間のトライ&エラーが、少しでも同じ境遇の方の役に立ち、無駄な時間と出費を減らすことができれば幸いです!
逆に知識や経験豊富な方にとっては当たり前すぎることだと思いますので、その点予めご了承いただけたらと思います。
劇的?ビフォーアフター
いろいろと解説をする前に、まずは私が本格的に撮影を始める前に撮った写真と、現在撮っている写真を見比べてみてください。
■本格的に撮影を始める前の写真

■現在の写真

最近の写真が上手いかどうかはさておき、かなり商品写真っぽさが出たというか、素人感は抜けたのではないでしょうか。
前者の写真はいかにもスマホでただ撮っただけ、という感じですよね。
写真が上手い方からすればいまだに鼻で笑うレベルのクオリティかもしれませんが、私は一旦今の写真の出来に満足していて、特別これ以上を目指す予定はありません。
なぜなら、ハンドメイド販売で写真は80点くらいのクオリティでOKと感じているからです。
80点の”足切りライン”をクリアしていてクリックしてもらえるレベルであるのならば、そこから先購入してもらえるかどうかは商品力など写真とは別の問題になってくる印象です(個人の感想)。
もちろん100点の写真を目指すのは悪いことではないですが、みなさんもイメージがつくかと思いますがとてつもない苦労を要します。
ハイレベルな機材を揃えてそれらを使いこなすことできるようになったとしても、かけた時間と労力に対して残念ながらあまりにリターンが見合わないのです…。
少し脱線してしまいましたが、「ハンドメイドサイトの写真は80点でよい」というのも私が撮影をしていくうちに辿り着いた考えのうちの一つです!
私の撮影遍歴、使用した機材と感想
さていよいよ本記事のメイン、私の撮影遍歴と使用した機材、それを使ってみての出来栄えの感想を紹介させていただきます。
大きく分けて以下のように機材や撮影環境を試してみてきましたので、ご参考になりましたら幸いです。
撮影初期①

■カメラ:スマホのカメラ
■背景:100均のリメイクシート
■照明:デスクライト
我ながら公開するのが恥ずかしいのですが…、撮影を始めるためにまず準備したのが上記でした。
リメイクシートとは、以下のような壁紙に貼ってDIYできるようなシール状のものです。
木目調で背景に使えそうでいいなと思って購入したのですが、100均はさすがに安っぽさが隠せなかったのと、当然撮影用ではないので光を反射して使い物になりませんでした(笑)
ライトは作業用に使っている以下のライトを使いました。
こちらは作業用ライトとしては非常によい製品で今でも愛用しているのですが、如何せんこれも撮影用ではないので当然上手くいきませんでした。
光が直線的で強すぎるので、白飛びしたり商品にガッツリ影ができる、といった具合です。
ディフューザーという光を和らげるカバー的なものを付けてみたりもしたのですが、今度は暗くなりすぎたりとやっぱり上手くいきませんでした。
撮影初期②

■カメラ:スマホのカメラ
■背景:撮影ボックス
■照明:撮影ボックス
上述の①では背景と照明で大失敗したので、それらをいっぺんに解決できる撮影ボックスを試してみました。
Amazonで検索すると大量にヒットする、以下のような海外製のものです(私が購入したものはすでに販売終了していました)。
使ってみた感想ですが、お世辞にも高品質とは言えない海外製の安価品ですが、割と悪くなかったです。
上記の頃の私はカメラ側の設定自体が下手だったのでいまいちな写真ですが、ちゃんと調整すればminneやCreemaでも使用できるレベルになるのではないかと思います。
ただ画角が限定されてしまうのと、どうしてものっぺりした印象になってしまうのが欠点でしょうか。
また白背景はどうしてもAmazonや楽天みたくなって商業感・ビジネス感が強くなってしまうので、ショップのイメージや雰囲気が重要なハンドメイドサイトでは少し堅くなりすぎてしまうかもしれません。
撮影中期①

■カメラ:ミラーレスカメラ
■背景:撮影ボックス
■照明:撮影ボックス
ここでついにミラーレスカメラを購入しました!
物撮りとは何も関係ない友人が趣味でカメラを購入したのに影響されて買いました(笑)
SONYのZV-E10という機種で、今でも使っています。
この機種を選んだ理由は特になく、APS-Cというそこそこのグレードの機種の中では値段がお手頃かつ「VLOGCAM」という動画撮影に強味を持った入門機としてよくおすすめされていたからです。
カメラはこれしか使ったことがないので正直良し悪しはわからないのですが、素人ゆえ使っていて特に不満を感じるたことはありません。
ちなみに動画はまったく撮っていません!(笑)
そして記事を書くにあたって初めて知ったのですが、今ではZV-E10Ⅱという機種が出ているのですね…。
ミラーレスカメラを導入した結果ですが、正直ほぼ写真のクオリティに変化はありませんでした…。
初期②よりも若干メリハリが付いたかもと感じますが、恐らくカメラ側の設定を少し学んだのが要因です。
ただ、カメラという「写真撮影のための機械」を使ったことで、写真を撮るのがかなり楽になりました!
私はスマホで物撮りする際に落としていまいそうになるグリップ性の悪さや、細かい数値の設定をする際に誤タップで操作が上手くいかない点にかなりストレスを感じていたのですが、カメラはさすが専用機だけあってそのあたりの使いやすさがスマホとは段違いでした。
その点については以下の記事で詳しく紹介しております!
撮影中期②
■カメラ:ミラーレスカメラ
■背景:背景シート
■照明:クリップオンストロボ

ミラーレスカメラを使ってもあまり変化がなかったので、このあたりで「カメラそのものの性能ではなく照明こそが重要なのでは…?」と考えるようになりました。
カメラは「光を記録する機械である」なんて名言もどこかで見た気がします。
そしていろいろ調べた結果、「クリップオンストロボ」というものに辿り着きました。
クリップオンストロボとは、カメラの上部直接取り付ける外付けのフラッシュのようなものです。
結婚式や記者会見などでクリップオンストロボがついたカメラをよく見かけるかと思います。
購入したのは上記のGODOXというメーカーの「TT350S」という製品です。
あまり詳しくなかったのですが、GODOXは撮影用ライト業界ではかなりメジャーなメーカーのようです。
また、私のカメラはSONY製なので上記はSONY用の”S”であり、メーカーごとに専用のシリーズを購入する必要があるようなので興味がある方はお気を付けください。
そしてGODOXをはじめ公式ではないサードパーティー製を使うのはあくまで自己責任となる点にはご注意ください!
使用していて何かトラブルが起き、公式のサポートが受けられないなんてこともあるかもしれません。
そして肝心の使用してみての写真の出来栄えは…ダメでした(笑)
カメラに直接取り付けるので場所を取らずに大きい光量を扱えるし、天井に向かって照射することで光が拡散され自然なライティングができるらしい!と期待していたのですが、残念ながら光量が足りずに思っていたようにはいきませんでした。
上記の写真は確か、撮影後にかなり露出を上げた記憶があります(元画像がなくすみません…)。
ただこれは私の技量不足&使用するシーンが適切でないところが大きいと思います。
上記の製品はクリップオンストロボの中でも光量が大きい方ではなかったのと、そもそもクリップオンストロボは大きな照明機材を置くことができない野外や出先での撮影が主戦場のアイテムとのことです。
そのあたりの特性を理解してコントロールできる方が使えば恐らく物撮りでも力を発揮できると思うのですが、素人である私に当然そんな技量はないため、残念ながらこちらも使用しなくなりました。
そしてもうひとつ導入したのが「背景シート」です。
リメイクシートの失敗を経て、撮影用の専用のものを購入しました。
さすが専用の背景シーだけありリメイクシートとは大違いで、光の反射を抑えしっかり背景の役目を果たしてくれています。
上記の背景シートは品質も問題ない上柄やサイズが豊富でおすすめです!
こちらの記事で詳しく紹介しております。
現在

■カメラ:ミラーレスカメラ
■背景:背景シート
■照明:モノブロックストロボ
このように様々な紆余曲折を経て、現在の環境がこちらになりました。
私の「なんか思っていたとおりにならない」問題は、モノブロックストロボを導入することでようやく解決しました。
モノブロックストロボは、クリップオンストロボと違いカメラとは独立したライトです。
テレビなどでは、雑誌のモデルさんの撮影風景などでよく見かけるイメージです。
しかし、当初はガチ過ぎる印象だったので購入するのをためらっていました。
こちらは単品では使用できずスタンドも購入して設置する必要がありますし、さらに光を拡散するための大きなディフューザー(傘など)もほぼほぼ必須となるので、ど素人の自分が使うには本格的すぎるのではと尻込みしていたのです。
しかし、実際に購入して使ってみた感想は素晴らしいの一言でした!
上手く言語化できずに大変申し訳ないのですが、光量と光の照射範囲?が広くなったおかげで被写体と背景が馴染んだ風な写真となり、私が求めていた写真に足りないのはこれだったのか!とばちっと綺麗に悩みが解消した感じでした。
モノブロックストロボの素晴らしさは以下のライティングの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ覗いてみていただけますと幸いです。
今でも照明の配置や背景シートの柄など細かな点はいろいろと変更してよりよい写真が撮れるようチャレンジしていますが、基本的にこの布陣で商品撮影・物撮りを行っています。
最後に
長々とした上取り留めのない記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
照明撮影・物撮りを始めたいけど何から手を出したらいいかわからない!という方の取っ掛かりとなれれば幸いです。