こんにちは!
本記事では以下の記事でご紹介しましたパスケースの作り方を解説したいと思います。
本当に必要最低限の道具で作ったので作りこまれた作品とは言えないですが、その分すごくシンプルで始めたての方が最初に挑戦するのにぴったりなアイテムとなっています!
1つ1つの手順の詳しい解説と言うよりは、「レザークラフトはこういう流れなんだな」という大枠を掴むための参考にしていただければと思います。
自分がレザークラフトを始めたばかりの頃を思い出しながら書いてみたので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
揃えるべき道具
上記の記事でもご紹介させていただいていますが、本アイテムを作るにあたってひとまず以下の道具を揃えてください。
これらの道具を用いて本記事は進めさせていただきます。
- 素材となる革
- 丸ギリ
- カッター
- カッターマット
- トコノール
- 紙ヤスリ(耐水ペーパー)
- 白ボンド
- 菱目打ち
- ハンマー
- 針
- 糸
- へり落とし
9つの作業工程!
それではさっそく始めさせていただきますが、9の工程に分けて流れを説明させていただきます!
①革に型紙を写す
まずは革に型紙を置き、ずれないように手で押さえながら丸ギリの先で型紙に沿って型を写します。
小さくて重みがある文鎮代わりになるものがあれば、型紙の上に置いて固定するのもの有効です。
肝心の作業中の画像がなく申し訳ございませんが、3パーツとも写し終わるとこんな感じになります。
②パーツを切り出す
次は先ほど写した型に従って、カッターで各パーツを切り出します。
ここで「裁断は定規を使った方がいいの?」と考える方もいるのではないでしょうか。
その人その人にやり方があり正解はないのですが、私は以下のような理由から定規を使わずフリーハンドで切り出しています。
- 定規がずれたり刃が定規に乗り上げたりすると、思わぬ方向に刃が進んで危険なため
- 革包丁を使う職人さんもフリーハンドで裁断しているため
- 定規で正確に切り出しても、張り合わせの際にずれたりそもそも型紙を写す時点でずれていたりするため
最後は単なる私の技術不足と言われてしまいそうですが…。
ハンドメイドではまったく同じ大きさのパーツを寸分の狂いなく切り出すことは難しく、結局どこかで調整しなければならないので、多少のずれなら問題なく作業を進められます。
③トコ面を磨く
次はポケット部分パーツのトコ面(裏面)を、トコノールを塗って磨いて毛羽立ちを抑えます。
ツルツルになるまで磨けたら完了です。
教本などではガラス板を使って磨くと書かれていることが多いですが、ガラス板でなくてもTシャツの切れ端(上の画像ではコバ磨き用の帆布という布を使っています)などで代用可能です。
例えばジャムの瓶など滑らかで少し力を入れて磨けるものなら代用可能なことが多いので、お家の中で使えそうなものを探してみてください!
④カードポケットのコバ処理
次に先ほどトコ面を磨いたカードポケットパーツの、斜めになっているポケット部分のコバ(革の断面)をきれいにします。
コバに水を含ませ、耐水ペーパーで削って滑らかにします。
コバに水を入れるのは、革を柔らかくして削りやすくするため、削りかすが舞うのを防ぐためです。
触ってみて滑らからになっていたら、次はへり落としで面取り(角を落とす)をします。
耐水ペーパーで磨いたことで”バリ”が出ていると思うので、バリも含めて角を落として手触りをよくします。
薄い革を使っていてへり落としが机に当たって上手く角に当てられないという場合は、上のように高さのあるものに端を合わせて段差を作り出すと作業がしやすくなります。
またトコ面にもバリが出ている場合は、銀面ほどしっかりとではなくて大丈夫なので、軽くバリを落とします。
へり落としが完了したら、トコノールでコバを磨いていきます。
トコノールを少量指に取りコバに塗って、Tシャツの切れ端などで磨きます。
へり落としをした部分を磨き忘れないようにご注意ください。
光沢が出てツヤツヤになったら完了です。
なかなかきれいにならない場合は、耐水ペーパーで整える~トコノールで磨くという工程を繰り返してみてください。
⑤本体パーツの接着
次は表面と裏面の2つある本体パーツを接着していきます。
片方のトコ面にボンドを薄く塗り、なるべくずれのないようきれいに張り合わせていきます。
私はボンドを塗るためのヘラを使っていますが、革の切れ端などで代用可能です。
ボンドが乾き接着が終わったら、貼り合わせた箇所のずれている部分をカッターで切り揃えます。ここでしっかりと平面にすることで、きれいなコバを仕上げることに繋がります。
カードポケットも貼り付けて最後に揃えればいいと思われるかもしれませんが、真ん中のパーツが内側にずれて”凹”のような状態になっていると整えるのが難しくなるため、1つのパーツごとに整える必要があります。
⑥カードポケットの接着
ずれた部分を整え終わったら、ポケットパーツを接着します。
この時の注意点としては、カードポケットのトコ面はトコノールでツルツルに磨いてあるので、ボンドの効きが悪いという点です。
そこで接着力を高めるため、カッターの刃の裏や背を使ってトコ面の接着箇所(端から4-5mm程度)を荒らします。
やすり等の代用可能な道具をお持ちであれば、そちらを使っていただくことで問題ありません。
斜めのポケット口以外の3か所を荒らし終わったら、ボンドを薄く塗っていきます。コバにボンドが付いてしまわないよう、はみ出しに気を付けてください。
ボンドが塗れたら本体パーツと接着します。
なるべくずれのないようにするのが理想ですが、ずれがある場合は先ほどと同様カッターで揃えておきます。
⑦縫い穴を空ける
次は縫い穴を空けていきます。
まず縫い穴を空けるガイドラインとして、パーツの四方に端から3mmに定規と丸ギリを使って線を引きます。
線を引き終わったら四隅に丸ギリで軽く目打ち(マーキング)をして、そこを起点に菱目打ちをハンマーで叩いて穴を空けていきます。
このとき四隅の穴は菱目打ちではなく、丸ギリで穴を空けるようにしてください。角は菱目打ちで空けると手縫いをしても穴が変に目立ってしまうためです。
穴の位置がきれいに等間隔となるよう、ある程度打ち終わったら間隔を調整していきます。
間隔調整のコツはレザークラフト塾さんが詳しく解説してくださっており、こちらの記事に該当の動画のリンクがあります。
ポケットパーツの段差部分の箇所は穴が重ならないように注意してください。
⑧縫い合わせる
手縫いでパーツを縫い合わせていきます。
手縫いの仕方もレザークラフト塾さんが詳しく解説してくださっているので、こちらで必見動画として紹介させていただいています。
⑨コバを処理する
こちらで最後の工程です!4つの面すべてのコバを整えてきれいにしていきます。
手法としてはカードポケットの時と同じで、水を含ませ耐水ペーパーで研磨⇒へりを落とす⇒トコノールで磨くという順序です。
革を3枚重ねているので、1回の手順だけできれいにするのは難しいかもしれません。
そういう場合は耐水ペーパーがけ~トコノールでの磨きをきれいになるまで繰り返します。
参考ですが私はパーツを張り合わせる箇所は通常2~3回、多いときは4回以上手順を繰り返します。
ツヤツヤになったら完成です!お疲れさまでした!
まとめ
いかがでしょうか。
最低限の道具と工程で説明させていただいたのでかなりサクッとしており、ひょっとしたら物足りないと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
なにより初めての解説につき、至らない点が多々あり申し訳ございません…。
今後製作手順の解説があったら、もっとわかりやすくできるように精進いたします。
そんな本記事ですが、レザークラフトへの第1歩となれば幸いです!
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